ベトナムゼミ 2020

早稲田大学建築史研究室を中心とする研究組織では、ユネスコ世界文化遺産「フエの建造物群」に関する遺構の実測調査と史料研究を継続的に行ってきた。
10世紀に、現在「北部ベトナム」と呼ばれる地域で丁朝が成立してから、18世紀の黎朝まで継続的に国家を置いた。一方、11世紀から18世紀にかけて南進政策を行い、1802年に現在のベトナム版図として阮朝が成立した。先行研究により、ベトナムの北部と中南部との木造架構形式が異なっていることが例証されている。
ベトナム漢喃研究院(Viện Nghiên cứu Hán Nôm)には、阮朝期に書かれた「間架樑棟圖之式」という名の木造架構の部分名称と寸法が記された図を含む『算学底薀』とそれに類する算術書が計四冊(『算学底蘊』、『算法』、『算学心法』、『算学格致』)確認されており、2020年度後期のベトナムゼミでは、『算法』を中心として読解を行っていく。

●読解資料
『算法』(Toán Pháp) 漢喃研究院所蔵A.156

●ゼミ構成員(敬称略)
研究員 :木谷建太
修士一年:黄胤嘉(ゼミ長)

●ゼミ日時
隔週金曜日10:00